AWS Summit Japan 2026 / Physical AI ブース

FANUC × AWS
配送網の自律復旧

ミニチュアの街で配送ロボットが止まった。原因は、来場者が置いた障害物。AIエージェントはその存在すら知らされないまま、自らカメラで調査し、考え、FANUCロボットを動かして道を開ける — 事前シナリオのない、本当の自律オペレーションです。

Concept

台本はない。
AIは「ゼロ」から自分で調べる。

来場者が障害物を自由に置くため、毎回状況が違います。AIエージェントは障害物の存在も位置も知らない状態から、「周辺を調査する → 世界の認識を更新する → 次の調査を計画する」というループを自律的に回して、問題を突き止め、解決します。

ミニチュアの街を再現したジオラマステージとFANUC CRXロボット

舞台は、空想の街の配送網

3.6m四方のジオラマに3Dプリント製のミニチュアの街。配達車両(TurtleBot3)が白線をたどって荷物を運ぶ、Amazonのラストワンマイル配送網を再現しています。ブースの2つの画面には「AIの思考」と「AIが認識している世界」がリアルタイムに映し出されます。

ジオラマ 3.6m×3.6mTurtleBot3 配達車両思考の可視化

腕は、産業用の本物

調査と復旧を担うのは、FANUCの協働ロボット CRX-20iA/L 2台。アーム先端のカメラ(FRAMOS D435e)で通りを見回し、障害物を見つけると形とサイズから「つかめるか」をAIが判断。つかめれば回収エリアへ、難しければ人のオペレーターに支援を求めます。

FANUC CRX-20iA/L ×2OnRobot 2FG7 ハンドRGB+深度カメラ

How it works

障害発生から復旧まで、約3〜4分。

1サイクルは5つのステップ。どのステップも、AIエージェントが自分の判断で進めます。

配達車両TurtleBot3

通常配送

配達車両が倉庫エリアから配送先へ巡回する平常運転

道路上の黄色い障害物

障害発生

来場者がルート上に障害物を配置。車両が検知して停止

アーム先端カメラで通りを調査

調査開始

AIがFANUCロボットの先端カメラで通りを探索。認識を更新しながら調査を繰り返す

障害物を把持して除去

復旧実行

障害物を特定し、ロボットが把持して回収エリアへ。道路が開通

復旧した配送網のジオラマ

配送再開

AIが配達車両に再開を指示。配送網が復旧する

設計の勘所: 物体認識や「次に何をすべきか」の判断はクラウドのAI(Amazon Bedrock)が担い、アームの軌道計算(モーションプランニング)やセンサー処理は現場のエッジPCが担当。通信が切れてもアームは安全に停止し、復旧後にクラウドから再開指示を受けます。

Gallery

現場で起きたことを、そのまま。

AWS Summit Japan 2026 会場で撮影した実際の映像です。クリック(タップ)で再生できます。

障害物の調査と除去 — 自律復旧の中心シーン
調査から復旧までのロングカット

Technology

この自律性は、何でできているのか。

AIエージェントの実行基盤から産業用ロボットまで、クラウドと現場をひとつなぎにした構成です。

AIエージェント基盤Amazon Bedrock AgentCore Runtime — ツール呼び出し・メモリ(調査結果の蓄積)・地図データを統合管理し、調査計画から復旧指示まで自律遂行。推論はClaude Sonnet
視覚認識Amazon Bedrock(Claude Haiku) — カメラ画像から周囲の状況を認識し、障害物の有無と最適な行動を推論
クラウドと現場の通信AWS IoT Core — MQTT 5のRequest/Responseでアーム制御、Device Shadowで配達車両の状態管理。通信断でも最後の既知状態から安全復帰
音声ナレーションAmazon Polly — 「障害物を発見しました」などAIの行動を音声で実況
エッジ側ROS 2 / MoveIt 2によるモーションプランニングとセンサー処理をエッジPCで実行
ロボットFANUC CRX-20iA/L ×2(可搬20kg・リーチ1,418mm・接触検知で即時停止) + OnRobot 2FG7ハンド + FRAMOS D435eカメラ
配達車両TurtleBot3 Burger — ライントレース走行、赤外線センサーで障害物検知、Named Shadowで状態管理

Sources

出典・関連リンク集